B型肝炎ワクチン

 B型肝炎はB型肝炎ウイルスが血液・体液を介して感染して起きる肝臓の病気です。全世界では2億4千万人がB型肝炎ウイルスに感染し、それに関わる病気で毎年約60万人が死亡しています。日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は約100万人(約100人に1人)と推定されています。

 B型肝炎ウイルスは、血液媒介感染をする病原体(C型肝炎、梅毒、HIVなど)の中では最も感染力が強く、血液・体液中に検出されます。小児期の感染経路としては母子間の垂直感染や他者との身体接触による水平感染があり、5歳未満の児が感染するとB型肝炎ウイルスの持続感染が成立して高率にウイルス保因者(キャリア)になり、将来、慢性肝炎や肝硬変、肝癌を発症する恐れがあります。

 日本では1985年からB型肝炎母子感染防止事業が開始され、B型肝炎ウイルスに感染したお母さんから生まれた赤ちゃんには、出生後にグロブリンとワクチンの接種が行われるようになり、母子感染によるキャリアは著しく低下しました。しかし、身体接触に伴うB型肝炎ウイルスの水平感染はその後もみられており、家族内での乳幼児感染の報告もあるため、1歳までの乳児に対して2016年10月からB型肝炎の定期接種が開始されました(1歳までに3回接種します)。今後、小児期の水平感染予防が期待されますが、もう一方で、思春期以降のB型肝炎が残されています。現在、B型肝炎の新規感染者は思春期から若年成人で多いことが報告されており、その感染経路は多くが性行為に伴う感染です。これに関連して、近年グローバル化の中で、B型肝炎ウイルスの遺伝子型については従来日本で多かった遺伝子Cが減少し、海外から流入した遺伝子Aが急激に増加しています。この遺伝子Aの急性B型肝炎は成人でも約10%が慢性化すると言われており、感染者が無自覚に他の人と交渉を繰り返し、感染が広がることが懸念されています。

 B型肝炎ウイルスは現在でも薬で完全に体から排除することが困難なウイルスであり、ワクチンによる予防が有効です。B型肝炎ワクチンの定期接種の年齢から外れて接種できなかったお子さんにも、積極的にワクチンを接種することをお勧めします。

 

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