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日本脳炎

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する病気で、蚊を介して感染します。
ヒトからヒトへの感染はなく、増幅動物(ブタ)の体内で一旦増えて血液中に出てきたウイルスを蚊が吸血し、その上でヒトを刺した時に感染します。

日本を含む極東から東南アジアや南アジアにかけて広く分布し、世界的には3~4万人の患者が発生しています。
日本でもかつては患者が多くみられましたが、ワクチンの普及と生活環境の改善によって年間10名以下と少なくなっています。
国内での罹患者は年齢的には50歳以上の高齢者が多いのですが、2006年から2015年の10年間では小児例が8例報告され、最も小さなお子さんは生後10か月でした。
地域分布では圧倒的に西日本が多いですが、地球温暖化のために今後北へ広がると予想されています。

一般に、日本脳炎ウイルスに感染した場合、約1000人に1人が日本脳炎を発症すると言われ、突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、けいれんや意識障害をきたします。
発症した人の5~30%が亡くなり、また、生存者の約半数に精神障害や運動障害などの後遺症が残ると言われています。

日本脳炎に特異的な治療はありません。
しかし、ワクチン接種で予防することが可能です。
日本脳炎ワクチンは不活化ワクチンで定期接種のあつかいになっています。
初回接種として3歳に達した時から4歳に達するまでの期間に、6日以上(標準的には6日から28日まで)の間隔で2回、1期追加として初回免疫終了後6か月以上(標準的には1年)あけて1回接種となっています。
さらに、2期として9歳以上13歳未満に1回接種を行います。
ただし、定期接種の1期として接種可能な時期は生後6~90か月となっており、上記のように1歳未満の日本脳炎の発症例の報告もありますので、希望すれば生後6か月以上であればワクチン接種を開始することは可能です。