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麻疹(はしか)

麻疹ウイルスによって起こる全身感染症です。
麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染のほか、飛沫感染、接触感染など様々な経路で感染し、感染力が大変強い病気です。
生後6か月頃からかかり、年長児や大人でも、麻疹に未感染の人やワクチン未接種の人、ワクチン1回接種のみで麻疹免疫が不十分な人はかかることがあります。

感染して10日間前後の潜伏期の後に、発熱と咳、鼻水、目やになど風邪と似た症状が出ます。
発熱3~4日目に口の中(頬粘膜)に「コプリック斑」と呼ばれる白いブツブツがみられ、体に赤い発しんが出ます。
高熱は計7日間ほど続きます。
その後、体の皮膚に発疹のあと(色素沈着)を残して解熱します。
熱が下がって3日経てば登園、登校ができます。
麻疹は、年齢にかかわらず重症になることがあり、合併症として肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。
2001年の流行の時には、約30万人がかかり、80名前後が死亡したと推定されています。
また、麻疹にかかって数年してから、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる神経難病にかかることもあります。
これは知能の障害とけいれんがおこる進行性の病気で、残念ながら根本的な治療法はありません。

麻疹そのものに有効な抗ウイルス薬はありません。
このため、予防接種が重要になり、MRワクチン(麻しん風しん混合生ワクチン)で予防します。
ワクチンを接種しておけば、かかったとしても重症になることは少なくなります。
さらに期間を空けて2回接種すればかかる可能性は極めて低くなります。
定期接種では1歳台に1回と小学校入学前の年長の時に1回の計2回ワクチン接種を受けます。

大人でもかかるので、保護者の方がワクチンを受けていない時には、自費になりますが必ずワクチン接種を受けてください。
幼児期に1回接種を受けただけで2回目の接種を受けていない場合も、大人の方はぜひ2回目を受けてください。