おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)

 おたふくかぜウイルス(ムンプスウイルス) による感染症で、飛沫感染、接触感染で周囲に広がります。感染力が強く、家族や保育所、幼稚園、小学校など子供同士が密接に接触するところで流行します。軽症で経過することが多いのですが、合併症を引き起こすことがあり、ワクチンによる予防が必要な疾患です。

【症状】
 2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て、片側あるいは両側の耳下腺の腫脹をきたします。約50%の人は顎下腺の腫脹も伴います。発熱は起こることも起こらないこともあり、通常1~2週間で軽快します。感染しても症状が現れない不顕性感染もみられます。
 最も多い合併症は髄膜炎であり、50~100人に1人の割合で発生し、発熱、頭痛、嘔吐をきたします。また、難聴が1千人に1人の割合で起こると言われており、難聴は一生治りません。その他に、思春期以降では、男性で約20~30%に睾丸炎、女性では約7%に卵巣炎を合併するとされています。

【治療・予防】
 おたふくかぜとその合併症の治療は基本的に対症療法です。髄膜炎合併例に対しては安静に努め、脱水などがみられる症例では輸液の適応となりますが、しばしば入院適応になります。

 効果的に予防するにはワクチンが唯一の方法です。おたふくかぜワクチン(任意接種・生ワクチン)で予防します。1歳で1回、1回目の接種後2~4年たったら2 回目を接種するのがおすすめですが、現在のところ任意接種のため、自費ワクチンになります。

 ワクチンの副反応としては、接種後2週間前後に軽度の耳下腺腫脹と微熱がみられることがあります。重要なものとして、数千人に1人の割合で、ワクチンによる無菌性髄膜炎になることがあります。これは、ワクチン接種後16日前後で、発熱や嘔吐、不機嫌などの症状が現れます。ただし、無菌性髄膜炎の発生率は、接種しないで自然感染で髄膜炎を合併する(100人に1~2人)よりもずっと低く、重症にもなりにくいものです。おたふくかぜに対する有効な抗ウイルス剤が開発されていない現状においては、集団生活に入る前にワクチンで予防しておくことが、現在取り得る最も有効な感染予防法です。

 

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