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BCGワクチン

結核は結核菌によって発症する病気です。
結核患者が咳やくしゃみをした時に飛び散った結核菌を吸い込むことで感染します。
多くは結核に感染している家族や周囲の人からうつりますが、時には感染経路が不明のこともあります。

わが国で2021年に新たに結核として登録された患者数は11,519人でした。
わが国の結核り患率(新登録結核患者数を人口10万対率で表したもの)は長年10以上の中蔓延国でしたが、2021年に9.2と初めてり患率10.0未満の低蔓延国になりました。
しかし、米国(2.6)、ドイツ(5.0)、オーストラリア(6.5)よりも高い水準であることには変わりはありません。
わが国では長崎県、大阪府、徳島県、沖縄県、愛知県の順にり患率が高いです。

結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱等風邪のような症状を呈することが多いですが、肺以外の臓器が冒されることもあり、特に、小児では初期には症状が現れにくく、血行性に結核菌が全身にばらまかれる粟粒結核や結核性髄膜炎など重篤な結核につながりやすいために注意が必要です。

結核の予防のためには、結核菌に自然感染する前に生ワクチンであるBCGワクチンを接種することが重要です。
定期接種の時期は1歳までとなっていますが、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合ワクチンを3回受けた後の、生後5か月から8か月が標準的な接種期間とされています。
BCGワクチンの副作用としてはリンパ節の腫れや皮膚症状などの比較的軽度な局所反応が一定の頻度(1%以下)でみられますが、骨炎や全身性のBCG感染症、アナフィラキシーなどの重大な副反応の報告は稀です。
乳幼児期にBCGワクチンを接種することで、小児の結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度罹患リスクを減らすことが報告されており、結核の発症する機会を大幅に減らすことが可能になります。